フィボナッチ・リトレースメントは、FXトレードにおける重要なテクニカル分析ツールの一つです。この手法は、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数列に基づいています。フィボナッチ数列は「前の2つの数を加えると次の数になる」という特性を持つ数列で、「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…」と無限に続きます。
フィボナッチ・リトレースメントは、相場の上昇局面での一時的な押し目や、下降局面での一時的な戻りを予測するために使用されます。この手法は、移動平均線などの他のテクニカル分析ツールと並んで、多くのトレーダーや機関投資家にも愛用されています。
フィボナッチ比率は、フィボナッチ数列を発展させたもので、数列のそれぞれの数を1つ後ろの数で割ることで得られます。例えば、フィボナッチ数列の数を1つ後ろの数で割ると、0.618という比率が一般的に得られます。同様に、2つ後ろの数で割ると0.382、3つ後ろの数で割ると0.236という比率が得られます。これらの比率は、トレードにおいて重要なサポートやレジスタンスのレベルを示すのに用いられます。
FXトレードにおいては、フィボナッチ・リトレースメントは、特定の極値(高値と安値)を基準にして、これらの比率に基づいたレベルをチャート上に表示し、将来の為替レートの可能性のあるレベルを予測するために使用されます。主に使用されるフィボナッチ・リトレースメントレベルには、38.2%、50%、61.8%があり、これらは価格チャート上に描かれ、潜在的なサポートまたはレジスタンスの領域を示します。トレーダーはこれらのレベルを使用して、取引のエントリーおよびエグジットポイントを識別します。